本来人が持つ可能性や良さを阻む壁に、立ち向かえる社会に
祖母の病気が原因で医者になりたいと考え、看護学部へ進むも、
人材大手であるリクルートへ新卒入社。
そして「障害のない社会をつくる」というビジョンを掲げるLITALICOへと転職した久保田さん。
前編では、久保田さんが何故リクルートに入ったか、そしてそこで感じた違和感をお聞きしました。
(前回の記事はこちら)
今回は、執行役員に「与えられた目標に対して成果が出たかどうかで成長したかを決めるのはどうしようもない」と言われ、
仕事への向き合い方を変えた久保田さんを取り上げます。
すぐに転職に踏み切るわけではなく、リクルートでもがき続けた理由とは?
そして、LITALICOに転職した理由とは?
今働くことにモヤモヤしている人、決断に迷っている人に是非読んでもらいたい。
誰かに認められる働き方ではなく、自分が心の底から頑張れる“コト”へ向かうことのできる働き方を知るために。
前職
職種:
株式会社リクルートキャリア 新卒人材紹介法人営業(リクルーティングアドバイザー)
内容:
新卒入社後、法人向け営業として新卒採用コンサルティング業務を担当し、1年目の7月で200%達成。
並行して、学生向けキャリア面談や新規事業領域立ち上げなども兼任。
転職の軸
- 「人の可能性を引き出し、拡げる」ことにまっすぐなLITALICO事業内容への共感
- 複雑な社会課題に対して、ともに向き合い、社会を動かす人を増やすという自身のミッションとの重なり
- 周囲の評価や自己成長よりも、本当にやりたいことを自分ができているのか?という葛藤
現職
職種:
株式会社LITALICO 人材開発部 採用担当
内容:
2018年1月に中途入社。
新卒採用担当として、採用企画/ダイレクトリクルーティング等を担当。
今いる環境でできるを模索し、動くことで見えたビジョン
執行役員に呼び出され伝えられた言葉により、リクルート内での仕事の向き合い方を変えたとありました。
具体的にどのように変えたのですか。
例えば、担当企業の採用成功を為す上で
私自身が一人の人間として何を得たいのか、そこの課題設定を担当企業側の目標とは別に設定するようになりました。
その中で興味を抱いたのが、これまで100社近くの選考を経て内定が出ない学生でした。
法人営業ではありましたが、学生担当の社員に頼み込み、月に数回就活に苦戦する学生との面談を手伝わせてもらい、
一人ひとりに向き合ってみようと思ったんです。
当時就活に苦戦していた学生は、目が合わない、質問が返ってこない、身だしなみが清潔感に欠けるなど、ネガティブな点ももちろんあったのですが、根気強く向き合うと、その人らしい素敵なエピソードが出てきました。
そのエピソードを抽象化し、企業が求めるポジティブな要素に伝え方を変換して、自分の担当企業や他の社員の担当企業の採用要件にはめていけば、内定が出るのではないかと思ったんです。
なるほど、そのチャレンジは社内からどのように捉えられていたのですか?
周囲にはお金になりにくい、不可能に近い挑戦だと言われていました。
法人営業をしている我々は企業からお金をもらっているのだから、担当企業が採用したい学生を紹介することに注力するべきで、採用されにくい学生に時間を割きすぎるのはよくないと。
ただ、私はどうしてもやりたかった。自分がやりたいことだったので、これまで就活に苦戦した学生が自分に合った企業と出会い入社する事例を作ろうと、月1人でも本業務と並行してやっていました。
そんなタイミングでLITALICOからオファーが来たんです。
一人ひとりの人生ががらりと変わる事業ってすごくかっこいい
なるほど、何故LITALICOに興味を持たれたのですか?
上記のようにリクルートで学生と面談している中で、
働くことに障害のある方へのキャリア支援をするLITALICOの事業内容を素晴らしいなあと思ったんです。
働くことに障害のある方は、生活保護を受けている方もいらっしゃり、
人のお金で生かされているという意識が強い方もいます。
だから、友達と話して笑うとかコンビニでお菓子を買って美味しいと思うなどのちょっとした楽しみさえ、
自分には許されないんじゃないかと思ういう人がいるんですよ。
LITALICOはそういう方と向き合いながら、働くサポートをしていき、
自分の力でお金を稼いで生活していく人を増やしています。
この事業は目の前の人にじっくり向き合っていると感じました。
一人ひとりの人生ががらりと変わる事業ってすごくかっこいいし、やりたいなあって。
そういう事業はリクルートではできないことだったのですか?
いえ、自分の新規事業領域や学生さんへのフォローも実を結びつつあって、リクルートでもそれはできるなと思っていました。
ただし、LITALICOの方が早くできるなという感覚はあって。
就職活動中の人にとっての「1年間」は重みのある時間です。だからこそ、いつかできたらいい、という中長期の時間軸では捉えたくなかったんです。
LITALICOでは社員がみな「障害のない社会をつくる」というビジョンを実現する事業に興味があるので、一人ひとりの人生に向き合うことの価値に対する合意形成が他の企業よりも速いと感じました。
ただ、速さという観点ではLITALICOの方が魅力的だと思いつつ、
リクルートのような人材領域を代表する大企業が変われば、社会へのインパクトは大きいと思いました。
社会の変化を考えるうえで、短期的にみると、スピードは求めたいと思いつつも
中長期的にみると変化の影響力も重要ですし、結構選びきれないなと。
リクルートで開催した勉強会がきっかけで、LITALICOの採用担当という職を選んだ
なるほど、最終的にどのように意思決定したのですか?
最終の決定打はリクルートの社員だったんです。
就活に苦戦した学生が自分に合った企業と出会い入社する事例が増えていくたびに、「なんでそんなにうまくいくんだ」という質問をリクルートの社員から個別にもらっていて。
そうしたら当時のマネージャーから「勉強会やって、事例を展開したら?」とチャンスをいただき、企画してみたんですよね。
リクルートって自発的にそういうことができる素敵な会社なんです!
平日の真昼間に1時間半くらいで実施したんですけど、
メンバー150人のうち100人近くが参加してくれました。
すごい!相当リクルート社員の興味を惹いたんですね。
当たり前ですけど、リクルートの中にもいろんなモチベーションで働いている人がいるんです。
クライアントに価値提供したい、賞をもらいたい、海外で働きたい、お金を稼ぎたい・・・
これだけ多種多様な人が集まっている組織で、この分野には正直興味がなさそうな人が関心を持つというのはすごいなと思って。
時間や手間がかかる難しい領域なのに、実際に困っている人を見かけると何かしら興味を持つんだなと。
この時、リクルートの外の社会でも同じように興味を持ち、変容していく人っているんじゃないかと思ったんですよね。
本当は能力があるにも関わらず、ラベリングや周りからの見え方で障壁ができてしまっていることって
障害のある方に限らず、外国人やLGBTなど色々な文脈であるじゃないですか。
こういう人がチャレンジできるような未来ってワクワクする人が多いのではないかと。
ピンポイントに障害のある方のキャリア支援を行うことが自分のやりたいことでもあるけれど、それ以上に、
このマーケットや複雑な社会課題に飛び込む人を増やすいう、ある種、一見興味がなさそうな人々のキャリア選択の流れを変えていきたいと思うようになったんです。
中編では、久保田さんの意思決定に対する葛藤や、リクルート内で、もがき挑戦する姿を取り上げました。
最後の後編では、「何かにコミットし行動することでしか自分のやりたいことは見つからない」という久保田さん自身の
キャリアとの向き合い方に迫ります。
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