テレビ、Facebookなどの各種SNS、ニュースアプリ、いろんなブログや2chなど。。。
現代社会において、情報に触れる機会や媒体は加速度的に増えている。
国内社会に流通する情報量(Web上の情報のほか、テレビなどの放送や印刷/出版物、電話/通信など計量可能なすべての情報)は年々増大の一途だ
出典:総務省「ICTコトづくり検討会議」報告書より 「デジタルデータ量の増加予測」
グラフで分かるように、指数関数的な伸びを見せている。
日本の人口が変わっているわけではないので、単純に1人当たりの情報接触量が増えているのだ。
情報に触れない1日を過ごすためには、携帯を捨てて無人島か何かにいくしかない。
この情報ビックバンは、人を幸せにしているのか。これが今回の記事のテーマである。
そもそも幸せとは?
そのためには、そもそも幸せとは何かについて考える必要がある。
僕の大好きな本「サピエンス全史」では、
幸福を以下の3つに定義づけている。
1.主観的な厚生から見た幸福
2.化学から見た幸福
3.宗教から見た幸福
サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福 Kindle版
※この本は、人類の歴史や文明の構造を有史以前から紐解いた歴史本(哲学本)である。
非常に長いが、非常に知的好奇心をくすぐられる。19章(文明は人間を幸福にしたのか)は最もワクワクしながら、本を読み進めた1時間で あったと言っても過言ではない。
今回は、1.主観的な厚生から見た幸福が主のテーマなので、
その文章を引用させていただく。
幸福は客観的な条件 、すなわち富や健康 、さらにはコミュニティにさえも 、それほど左右されないということだ 。幸福はむしろ 、客観的条件と主観的な期待との相関関係によって決まる 。あなたが牛に引かせる荷車が欲しいと思っていて 、それが手に入ったとしたら 、満足が得られるだろう 。だが 、フェラ ーリの新車が欲しかったのに 、フィアットの中古車しか手に入らなかったら 、自分は惨めだと感じる 。
非常に面白い定義ではないだろうか。
持っているお金の量や、健康、家族やコミュニティのような客観的に表現できる
ステータスや条件によって、人が幸せと感じるには、ある程度の上限がある。
それよりも重要であるのは、自分の主観であり、
期待を結果が上回るかどうかであるというのだ。
手に入るものは同じだったとしても、感じる幸福には違いが生じる。
それは、各人の期待によってだ。
情報の多さ、接続性は人を幸せにするのか
そのうえで、筆者はこう論じている。
幸せかどうかが期待によって決まるのなら 、私たちの社会の二本柱 、すなわちマスメディアと広告産業は 、世界中の満足の蓄えを図らずも枯渇させつつあるのかもしれない 。もしあなたが五〇〇〇年前の小さな村落で暮らす一八歳の青年だったら 、自分はなかなか器量が良いと思っていただろう 。というのも 、村には他に男性が五〇人ほどしかおらず
、その大半は年老いて傷跡や皺の刻まれた人たちか 、まだほんの子供だったからだ 。だが 、あなたが現代のティ ーンエイジャ ーだとしたら 、自分に満足できない可能性がはるかに高い 。同じ学校の生徒は醜い連中だったとしても 、あなたの比較の対象は彼らではなく 、テレビやフェイスブックや巨大な屋外広告で四六時中目にする映画スタ ーや運動選手 、ス ーパ ーモデルだからだ 。
つまり、溢れかえる情報が人々の主観期待感を上げている。
それによって、人は不幸になっているかもしれないというのだ。
Facebookで常に流れてくる「成功系」フィード
ニュースアプリに上げられる「煽り系」記事などを見て、
自分は果たしてこのままでいいのだろか・・・
変な焦燥感を掻き立てられ、現状に不満を覚えてしまう。
皆さんの身の回りにもこのような経験はあるのではないだろうか。
確実に社会は豊かになっているのにも関わらず、満足できない人はこうやって増えていっているのである。
それでも情報の非対称性/不公平性は悪だ
これは、就職活動や転職活動にも当てはまる。
社会に出て思うが、学歴と仕事は一切関係ない。
でも、学歴フィルターで人をある程度選ぶ企業があることも事実だ。
いろんな情報に触れれば触れるほど、高いレベルの人や企業に会えば会うほど、
高い期待をもってしまう。
全員が高い期待を持って就職活動をしてしまうと、期待を裏切られて不幸になる人もいるかもしれない。
結果が同じだとしても、感じる主観的幸福には差が生じてしまう。
では、人によって受け取る情報量に差が出ていいのかというとそれは違う。
選択肢を知らないから選択できない人がいる世界は不公平だ。
そのうえで、情報を与えるのか情報を与えないのか
情報を受け取るかうけとらないかは、どちらの方が幸福なのか。
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これは、人のキャリアに関わる人が考え続けなくてはいけないパラドックスである。
自身のキャリアにおいて、選択肢が多すぎて迷いがとれないという方は
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